〜日本文化のルネッサンスをめざす〜日本酒で乾杯推進会議
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100人委員会
■日本酒で乾杯推進会議100人委員会が初会合

新代表に石毛直道氏を選任。日本文化と日本酒の再生へ、各界著名人が結束

写真 「日本酒で乾杯推進会議」の100人委員会が、6月19日の午後、千代田区一ツ橋の如水会館で開催されました。各界の著名人による「日本酒で乾杯!」運動の応援団として結成されて以来、同会が本格的な話し合いの場を持つのは今回が初めて。会議では、委員会の新しい代表に国立民族学博物館の石毛直道名誉教授を選出したほか、今後の運動の進め方などについて自由な意見交換を行うなど、日本文化と日本酒の再生へ向け改めて組織の結束が図られることとなりました。

 

●故田島義博氏をしのび黙祷

故田島義博氏に全員で黙祷
故田島義博氏に全員で黙祷

中央会が「日本酒と日本文化のルネサンス」を旗印に全国展開している「日本酒で乾杯!」運動。100人委員会は、乾杯推進運動の運営母体である「日本酒で乾杯推進会議運営委員会」(西村隆治委員長)の中に、文化、芸術、医学など各界著名人による業界外の支援組織として結成されたもので、メンバー数はこの6月現在で80名に達しています。 今回の会合には、石毛直道氏ら主だったメンバー21名のほか、中央会からも辰馬会長、淺見副会長、西村委員長らが参加。冒頭、この3月に逝去された前代表の田島義博氏(学習院院長)を偲び全員で黙祷を捧げた後、挨拶に立った辰馬会長が、「日本酒で乾杯の運動は各地で自然に浸透しはじめている。日本人に日本文化のイメージを尋ねると、田園風景という答えが最も多くなるそうだが、日本酒もその稲作に根ざした誇るべき日本文化のひとつだ。我々の運動が、100人委員会のお力添えにより、小学校唱歌の『夏は来ぬ』に歌われたような美しい日本の心、日本の文化を蘇らせ育んでいく糧になることを心から願う」と述べて、今後の100人委員会の活動に期待を示しました。

新代表として抱負を述べる石毛教授(左は辰馬会長)
新代表として抱負を述べる石毛教授(左は辰馬会長)

  続いて、田島氏に代わる新代表の選任について協議を行った結果、全会一致で石毛直道氏の代表就任を決定。就任挨拶の中で石毛教授は、「私が専攻する文化人類学では自国の文化だけが最高と思い込むのはいけないこととされるが、逆に自分の文化を知らない根無し草になるのもいいことではない」と述べた上で、「日本酒を知ることは日本文化を知ることだが、単に伝統文化ということだけにこだわるのではなく、現代の日本文化における日本酒とはどうあるべきなのかを皆さんと一緒に考えていきたい」と抱負を語りました。

 
●10月10日に「総会・フォーラム・懇親会」
西村委員長
西村委員長
  会議はこの後、(1)これまでの運動経過と今後の活動計画についての報告(西村委員長)、(2)講話(京都市立芸術大学の中西進学長「万葉集の酒について」、淺見副会長「酒税制度と日本の酒文化につていて」)、(3)意見交換、の順で進められましたが、このうち、今年度の活動計画について西村委員長は、今年の10月10日に開催を予定している日本酒で乾杯推進会議の「総会・フォーラム・懇親パーティー」(東京會館)について実施概要を報告したほか、日本酒で乾杯推進議の会員に対する「通信レター」の発刊など情報提供面でも積極的に対応していく考えを示しました。
西村委員長
中西学長
  一方、中西学長の講話は、万葉の歌人・大伴旅人が酒に託して思いを述べた歌の数々(「あな醜賢しらをすと酒飲まぬ人をよく見れば猿にかも似る」など)を紹介しながら、古代の宮廷社会と酒との関わりや、当時の飲酒文化の豊かさなどを読み解いたもの。
淺見副会長
淺見副会長
  また、淺見副会長の講話は、日本の法制度における酒類の位置づけの変遷(特に明治以降の酒類行政)、日本酒の現状などについて概説したもので、話の中で淺見副会長は、今回の酒税改正について「清酒の定義を醸造酒性の点にまで踏み込んで捉え直したことは画期的・歴史的なことだが、長年にわたって徴税品目という観点だけで酒の文化性をないがしろにしてきた日本の酒類行政の影響は依然大きい」と指摘。その上で、「酒の文化性を酒税制度との関連でどう位置づけていくかは国民全体で決めることだが、その原点となるのは、日本文化の真の価値を国民がもう一度認識し、日本の国に誇りと自信を持つことだ。我々は日本酒で乾杯運動を通じてそのことを主張していくと同時に、その主張に相応しい品位品格のある酒を造らなければならない」と述べました。
 

●運動の進め方でさまざまな提案
 講話に続いて行われた意見交換の場面では、今後の乾杯運動の進め方などについて次々に新しい提案が示され、西村委員長ら中央会関係者との間で活発なやり取りが行われました。
  意見交換の最後には、100人委員会委員に対して西村委員長が、新設される日本酒で乾杯推進会議の専用ホームページへのエッセイの寄稿を依頼、各委員もこれを了承して今後の支援活動をさらに強化していく方針が確認されました 。

 

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