●「乾杯のかたち」めぐり具体的アイデアも
中島氏の講演に続いては、10月の総会・フォーラムで「乾杯のかたち」を提案する予定になっていることを受け、各委員が具体的なアイデア・質問を出し合って意見を交換。主な発言は次のとおりです。
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辰馬会長 |
「国賓の接遇などでお酒を飲むときに乾杯の掛け声などはどうなっているのか」(中西委員)
「特別な乾杯の掛け声はなく、起立して来賓に向かって軽く盃を掲げる程度。そのタイミングも雅楽と同様、阿吽の呼吸で合わせる」(中島委員)
「座って乾杯する場合と起立する場合と分けて考えなければならない。座礼の場合、燗酒の徳利とお猪口が一般的かもしれないが、カクテルパーティーや椅子式の宴会などは冷酒が多い。この場合、器についてもデカンタのようなものやシャンペンバケットのようなものを考案するのか考えなければならない」(石毛代表)
「宴席などに出ると乾杯に入るまでの時間が楽しくない。照明や音楽伴奏を工夫するなど、若い人が新鮮さを覚えるような乾杯の演出、楽しみ方を考えていく必要がある。料理の器への配慮なども含めトータルで考えないと若者はついてこない」(奥村委員)
「日本酒文化を世界の人々に理解してもらうために、乾杯という言葉の意味づけを考えた上で、それにふさわしい英訳をする必要がある。また、若者対策としては、節句の酒、木の芽酒、菊酒といった季節の酒の復活を考えるべきだ。日本の文化は季節を重んじるということは海外でも知られているし、ファッション性も出てくると思う」(本間委員)
なお、会議では参考として、日本酒で乾杯推進会議のホームページで実施した「乾杯についての会員アンケート」結果も紹介されました(「印象的な乾杯の事例」「理想的な乾杯のスタイル」などを尋ねたもので、理想的なスタイルとしては「肩から鼻の高さまで杯を掲げ乾杯の発声と同時に少し杯を上げる」「心を正して、清々しい気持ちで升で乾杯したい」「乾杯の酒はアルコール度が低くすっと飲めるもの。持ちやすくささげてもお酒のこぼれる心配がない乾杯用グラスもあるといい」などの声が寄せられている)。
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「日本酒文化を味わう会」の模様 |
会議の最後には辰馬会長が挨拶に立ち、「北海道では、7月の洞爺湖サミットへ向けて日本酒のPRが盛んになっており、『彩華洞爺』という統一ブランドも開発されて売行き好調と聞いている。これからも各地で開催される国際会議などで国酒・日本酒を楽しんでもらえるよう、今日いただいた貴重なご意見を糧に乾杯運動推進に取り組んでいきたい」と述べて、さらなる運動展開への決意を示しました。
100人委員会の終了後に開かれた「日本酒文化を味わう会」では、冒頭、石毛会長の発声により「日本酒で乾杯!」の杯を掲げた後、会場に用意された全国各地の日本酒を味わいながら、出席者全員で歓談のひと時を楽しみました。 |