〜日本文化のルネッサンスをめざす〜日本酒で乾杯推進会議
HOME 乾杯のスピーチ集 日本酒からの手紙 概要 活動 コラム
活動
100人委員会
■平成21年度「100人委員会」

日本酒で乾杯運動の応援団、今年もパワー全開へ

有馬ョ底老師

   平成21年度の「100人委員会」(石毛直道代表)が、5月12日の午後、千代田一ツ橋の如水会館で開催されました。会議では、「日本酒で乾杯推進会議」の今年度の活動計画の報告や今後の運動のあり方をめぐる意見交換などが行われほか、100人委員のひとりで臨済宗相国寺派管長の有馬ョ底老師が「隔めい記にみる宴席」と題して講演。また、会議終了後には懇親の宴(日本酒文化を味わう会)も開かれ、各界著名人による乾杯運動の頼もしき応援団は、今年もパワー全開へ準備完了!

 
100人委員会終了後に開かれた「日本酒文化を味わう会」の模様。もちろん、オープニングは日本酒で乾杯!
100人委員会終了後に開かれた「日本酒文化を味わう会」の模様。もちろん、オープニングは日本酒で乾杯!
 

●成果重ねて第4回目の開催。委員会のメンバーは90名に

挨拶する石毛代表
挨拶する石毛代表

   「100人委員会」が開かれるのは、今年で4回目。文化、芸術、経済、スポーツなど各界著名人による「日本酒で乾杯運動」の支援組織として平成17年に発足した同会は、運動母体である「日本酒で乾杯推進会議運営委員会」(西村隆治委員長)との連携により、新しい「乾杯のかたち、乾杯のこころ」の研究、『乾杯の文化史』の発刊(乾杯の文化史研究会)、乾杯推進会議のホームページへのコラム掲載(http://www.sakedekanpai.jp/column/100nin)など、4年間にわたって様々な成果を積み重ねてきました。

   また、「日本酒と日本文化のルネッサンス」という運動の主旨に賛同する著名人も着実に増加。委員会に名を連ねる著名人の数は、この5月で計90名に達しており、新たに北里大学医学部教授の相澤好治氏、(社)日本青年会議所会頭の安里繁信氏、武者小路千家家元の千宗守氏、佛教大学社会学部教授の田公理氏、日本子守唄協会理事長の西舘好子氏の4名がメンバーとなっています(なお、発足以来のメンバーだった佐々木久子氏は昨年ご逝去されました)。

   今回の会合には、石毛直道代表ら主だったメンバー23名のほか、中央会から辰馬会長、福光・淺見両副会長、西村委員長らが参加。石毛代表の開会挨拶に続いて、@西村委員長による「日本酒で乾杯推進会議」の活動報告、A有馬ョ底老師の講話「隔めい記にみる宴席」、B意見交換、というプログラムで会議が進められました。

   冒頭の挨拶に立った石毛委員長は、「これだけの各界代表が一堂に集えるのも、日本酒の取り持つ縁というもの。私の知人の中には推進会議のホームページに連載されている100人委員のコラムを読んで会員になってくれる人も少なくない。皆さんも、お知り合いの方々にホームページの情報などを教えて上げて、運動への理解を広げていただければ有難い」と述べて、会員拡大へ向けた各委員のさらなる協力を呼びかけました。

 

●一般会員は2万人を突破。10月2日に「総会・フォーラム」開催

報告を行う西村委員長
報告を行う西村委員長

   続いて「日本酒で乾杯推進会議」の活動報告を行った西村委員長は、まず一般会員数が5月時点で初めて2万人を突破した(2万896名)ことに触れた上で、「当面の目標である3万人が射程距離に入ってきた。5年間の運動の結果、次第に新規会員獲得の動きが活発になってきたということであり、目標の達成も間近だと思う」として、今年は会員拡大の取り組みにさらに拍車を掛ける方針であることを報告。

    また、ホームページのシリーズ企画として昨年からスタートした「100人委員会コラム」についても、「これまでに計20名の委員か らご寄稿いただいており、ホームページの目玉サイトとしてアクセス数の増加に効果を発揮している」と述べて、引き続き、他の委員の方々にも寄稿の依頼を続けながら、ホームページの充実に取り組む考えを示しました。

    一方、今年度の活動計画に関しては、10月2日に開催を予定している「総会・フォーラム・懇親パーティ」(東京會舘)について、「この5年間、<乾杯のかたち>を追求してきたが、ほぼ共通認識が生まれてきたと思われるので、今年は一区切りをつける意味で、伝統芸能の備中神楽を取り上げ『酒と芸能』というテーマで考えてみたい」と説明。このほか、総会に先立つ9月11日には、岡山、山形、佐賀に続く第4回目の地方大会を札幌市で開催する予定になっていることを報告しました(北海道神宮との共催)。


●「日本酒で乾杯推進会議」の主な活動計画(21年度)
1. 会員の拡大
  3万人の達成を目指す。
2. 総会・フォーラム・懇親パーティの開催
  日 時 平成21年10月2日(金)16時〜20時30分
会 場 東京會舘
3. 地方大会(札幌大会)の開催
  日 時 平成21年9月11日(金)17時〜20時30分
会 場 北海道神宮(札幌市中央区)
4. 支持基盤の拡大
  関係機関・諸団体に働きかけ運動基盤の拡大を図る。
5. インターネット・メディアの展開
  メールマガジンの発行継続
乾杯推進会議のホームページ(http://www.sakedekanpai.jp)の充実(100人委員会コラムの掲載継続など)
 

●江戸初期の公家社会はどう酒を楽しんだか?有馬ョ底老師が講演

有馬ョ底老師の講和風景
有馬ョ底老師の講和風景

    有馬ョ底老師による講和「『隔めい記』にみる宴席」は、江戸初期の公家社会や文化人サロンにおいて日々繰り広げられた華やかな宴席の中で、酒がどのように楽しまれていたのかを、当時の貴重な実見記録である『隔めい記』(※)の中から読み解こうというもの。

    ョ底老師は、臨済宗相國寺派7代管長と同時に鹿苑寺金閣、慈照寺銀閣の住職をも兼ねる京都仏教会の重鎮。

※「隔めい記」とは-
   江戸時代初期の金閣寺の住持、鳳林承章(ほうりん じょうしょう)が、寛永12年(1635)6月から寛文8年(1668)まで約34年間にわたって記録した自筆の日記。当時の政治・経済・社会情勢から文芸、芸能、食文化などまで、記事の内容は極めて多彩であり、日本酒文化の研究においても必読の資料といえる。
   思文閣出版(京都市)から全7巻の復刻版が発刊されている。

    「私は酒好きの生ぐさ坊主」と公言する一方で、伝統工芸、美術、茶道に造詣が深く、自ら書や絵画にも熟達するョ底老師にとって、今回のお話はまさに自家薬籠中のテーマといえます。

    「『隔めい記』によれば、後水尾天皇を中心とする京都の寛永文化サロンには、茶人の小堀遠州や金森宗和、生け花の池坊専好などのほか、陶工、絵師、儒者者など様々な著名人が出入りし、 機会あるごとに宴席を設けた。正月元旦はもちろん、連句の会、十種香のきき当て、茶会、さらには四月八日の釈迦誕生会の後にも必ず宴会が開かれ、時には夜通しで、文字どおり“鶏鳴に及ぶ”まで酒を楽しんだ」といったョ底老師のお話は、江戸初期における創造的エネルギーや遊びの精神を洗練する上で酒文化がいかに大きな役割を果たしたかを浮き彫りにしたもので、今後の乾杯運動のあり方を考える上でも貴重な情報の多い講演となりました。

 

●今後の運動の方向をめぐり意見交換。具体的な提言も

辰馬会長
辰馬会長

    最後に行われた意見交換の時間では、「今年は日本酒で乾杯運動がスタートして5年という節目の年。これを機に運動のあり方、進め方をもう一度見直して、必要があれば新たな視点を取り込んでいきたい」と淺見副会長が述べたのを受けて、各委員が今後の運動の方向をめぐって具体的な提言などを行いました。主な発言の内容は次のとおり。

    「たくさんの人が集まって乾杯するようなシーンでは、場所もホテルだったり料理も西洋料理だったりという場合が多く、日本酒で乾杯という発想自体が生まれにくい。日本酒で乾杯にふさわしい料理の合わせ方などを考え、サービス業に対して提案できたらよいと思う。また、地域経済や日本酒そのものの底力となっている“小さくてもキラッと光る蔵”に陽が当るような取り組みで、地域の活性化、観光の振興につなげたい」(池坊由紀氏)

    「日本酒は二日酔いになりやすく焼酎は後に残らない、という一種の都市伝説が未だに根強い。日本酒を広めていくためにはこの払拭が不可欠だ。また、日本酒で乾杯推進会議の総会が開かれる10月2日は、2016年夏季オリンピックの開催地が決まる日でもある。もし東京に決定したら、乾杯推進会議としても何らかの働きかけをしていくべきだ」(小田與之彦氏)

    「日本酒は翌日に残るというが、酔いの医学から言えば問題はあくまでアルコールの摂取量だ。高濃度のアルコールを水で割る酒は、長時間かけて大量に飲んでしまうため肝がんや肝硬変が多い。水で薄めない日本酒は2〜3合飲めば体が止め時を教えてくれる。最近は、ワインや日本酒を適量(1日1〜2合)毎日飲む人に認知症が少ないということも話題になっている」(滝澤行雄氏)

    会議の最後には辰馬会長が挨拶に立ち、「物豊かにして心貧しい日本。私は心の温暖化こそ必要だと考えている。他人への思いやりと声明の尊厳を忘れたら自滅の道を歩むしかない。我々は生き物の節度を身につけなければならないのであって、お酒も節度を持って飲むことが大切だ。こういう思いを運動にブレンドして、100人委員会の方々とともに、美しい日本の精神風土のルネッサンスをめざしてパワーアップしていきたい」と述べて、運動のさらなる深化へ向けて強い決意を示しました。

 

●野田・小渕両大臣もまじえて歓談のひととき

神崎委員 西村運営委員長
野田大臣(左)と小渕大臣

    100人委員会の終了後に開かれた「日本酒文化を味わう会」では、冒頭、石毛代表の発声により「日本酒で乾杯!」の杯を掲げた後(表紙写真)、会場に用意された全国各地の日本酒20銘柄を味わいながら、出席者全員で歓談のひと時を楽しみました。

    途中には、国会審議の合間を縫って、野田聖子消費者行政担当大臣(日本酒を愛する女性議員の会会長)と小渕優子少子化担当大臣(同会幹事長)も会場に駆けつけ、それぞれ「この秋には消費者庁が設置される見通しだが、日本酒という素晴らしい国の宝が消費者に評価されて世界に発信されるようになる明るい未来を考えている」(野田大臣)、「日本酒は國酒。そのさらなる発展へ向けて、これからも皆さんと共に頑張って生きたい」(小渕大臣)と挨拶。

    最後は、福光副会長の発声で、一同そろって再度「日本酒で乾杯!」の杯を掲げ、運動のさらなる進展へ向けて結束を誓い合いました。

最後も日本酒で乾杯! 「日本酒を味わう会」の模様
最後も日本酒で乾杯! 「日本酒を味わう会」の模様

 

● 会議に参加した100人委員の方々(50音順)※石毛代表と有馬ョ底老師を除く

秋山 裕一氏 榎本 義法氏 飯田 博氏 池坊 由紀氏 小田 與之彦氏
秋山 裕一氏
((財)日本醸造協会顧問)
榎本 義法氏
((社)日本青年会議所
副会頭)
飯田 博氏
((株)岡永代表
取締役会長)
池坊 由紀氏
(華道家元池坊
次期家元)
小田 與之彦氏
((株)加賀屋取締役
副社長)
神崎 宣武氏 北本 勝ひこ氏 木村 克己氏 クライナー・ヨーゼフ氏 兒玉 徹氏
神崎 宣武氏
(民俗学者)
北本 勝ひこ氏
(東京大学大学院教授)
木村 克己氏
(ソムリエ・
日本酒スタイリスト)
クライナー・ヨーゼフ氏
(法政大学特任教授)
兒玉 徹氏
(東京大学名誉教授・
日本醸造協会会長)
阪田 美枝氏 島田 律子氏 高田 公理氏 滝澤 行雄氏 辰馬 章夫氏
阪田 美枝氏
(『日本の酒造り唄』
著者・
2千年紀和紙委員会
事務局長)
島田 律子氏
(タレント・エッセイスト・
日本酒スタイリスト)
高田 公理氏
(佛教大学社会学部教授)
滝澤 行雄氏
(秋田大学名誉教授)
辰馬 章夫氏
(日本酒造組合
中央会会長)
中島 宝城氏 松野 昂士氏 籔内 佐斗司氏 山本 祥一朗氏 吉澤 淑氏
中島 宝城氏
(宮内庁歌会始
委員会参与)
松野 昂士氏
(前北里大学教授)
籔内 佐斗司氏
(彫刻家・東京芸術大学
大学院教授)
山本 祥一朗氏
(評論家)
吉澤 淑氏
((前)東京農業大学
教授)
 

●カンパイが取り持つ縁

フォトスナップ1 フォトスナップ2 フォトスナップ3
フォトスナップ4 フォトスナップ5 フォトスナップ6
フォトスナップ7 フォトスナップ8 フォトスナップ9
フォトスナップ10 フォトスナップ11 フォトスナップ12
 
  < 100人委員会 一覧 > このページのトップへ
 
Copyright(c)2006 日本酒で乾杯推進会議