私は昨年3月から100人委員会に加えていただきました「新米」です。
日本酒との関わりはお客様へ直接販売する小売りの立場でございます。現在「日本小売業協会」の会長をしていることから、より多くの方に日本酒を嗜むように労を尽くせ、と委員の玉木さまのご推挙で仲間入りをさせて戴いたと承知しています。無論、根っこに日本文化の啓蒙活動があります。
「乾杯コラム」の初投稿は45年の小売り経験から(お酒は34年)、日本酒の売り手として感じたことを一言。
日本酒の消費が減少し始めて40年が経過し、現在はピ−クであった昭和48年の3分の1の状況にあります。背景には人口構造や生活様式の変化、アルコ−ル飲料の多様化により、若者を中心に低アルコ−ル志向と健康志向でワイン・焼酎へ流出したこと。加えて、お酒の「造り手」「売り手」双方のアルコ−ル飲料を取り巻く環境変化への対応に、不足があったことも否めません。
そこで、「和食」が昨年末に世界無形文化遺産に登録されたことで、日本酒にとってはこの機を千載一遇のチャンスと捉え、和食とは「切っても切れない仲」である日本酒の地位向上を計るべく、私案を述べます。
(1)日本酒の「きき酒会」を全国で毎月開催する
10万人以上すべての都市で年一回は開く。ターゲットは主に女性(20〜30代のキャリア)、(40代以上の主婦)。彼女たちは飲み方の関心が高い。主婦層には料理と絡めた提案
(2)小型瓶の普及と和みの水をセットで販売する。
瓶は180oLと300oLで、冷酒を含めて三種類、和みの水とセットで販売(低アルコ−ル対応)。「家飲み」対応で新たな需要を喚起。販売店とタイアップ。
(3)グロ−バルな日本酒としてのブランド化
日本酒は地域の気候・風土により様々な種類が造られている。嗜み方も多様で、ワインと十分肩を並べられる存在。で、あるのにブランド化はあまり進んでいない。若い世代から高齢者まで、幅広く嗜んでもらうためにはブランディングを強化すべき。
年間1000万人以上の外国人が来日し、彼らは「日本の文化」を楽しみます。そのチャンスを逃してはなりません。
外国からのお客さんに「日本文化・日本酒」に直接触れる機会を多面的に創り出すことで、日本の文化の良いところを広く啓蒙できます。
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