〜日本文化のルネッサンスをめざす〜日本酒で乾杯推進会議
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桂米團治氏桂米團治(かつら よねだんじ)氏
落語家。昭和33(1958)年12月20日、大阪市に生まれる(就学時代は兵庫県尼崎市)。昭和53(1978)年8月、父である桂米朝に入門。桂小米朝という芸名で落語家としての人生が始まる。平成20(2008)年10月、五代目桂米團治を襲名。全国各地で落語会を開催。
著者:「子米朝」ポプラ社
DVD:「小米朝十番勝負」EMIミュージック・ジャパン TOBS-1102〜04
DVD:「THE 小米朝」EMIミュージック・ジャパン TOCF-55176
DVD:「桂米團治とお座敷あそび」(株)ヴィワン VT-KOA-0004〜06
<桂米團治公式サイト> http://www.yonedanji.jp/

コメあればこそ…の日本
 

 長年慣れ親しんだ小米朝という名前から、桂米團治という名跡を受け継いで、早3年が経ちました。この米團治(ヨネダンジ)という名前は明治の上方の華やぎの中で生まれ育った大きな名跡の一つなのです。これからも伝統の火を絶やさぬよう芸道に精進しますので、ご贔屓のほど宜しくお願い申し上げます。

 私は五代目となりますが、初代の米團治になる人は実は米屋の伜(セガレ)でした。で、桂文團治に弟子入りしたんですが、その時、文團治師が自分の「文」を「米」に変えて命名したんだとか…。米團治は実家が米屋であったことから生まれた名前だったという訳です。以来、ウチの系統は皆、米に関係する芸名が付けられました。米之助、米朝、米蔵、枝雀…。
 それが理由かどうかは分かりませんが、ウチの一門は師匠の米朝を初めとして、全員がごはん好きのお酒好き。朝は必ず白ご飯か、お粥ですし、落語会の後は必ずと言っていいほど日本酒です。冬は人肌の燗酒で…、夏は冷酒でスッキリと…。でも、一時間後にはそのままヒヤでコップ酒。

 関西は灘や伏見の蔵元が有名で、昔から清酒で栄えてきた所。そこに地酒ブームが到来し、酒米の品種改良も手伝って、全国各地の名酒が手軽に味わえるようになりました。地方公演の時などは、行く先々で秘蔵の酒に遭遇し、陽気にはしゃいで、疲れも吹っ飛び、明日への鋭気が養える…。コメに感謝、杜氏さんに感謝の毎日です。飽くなき私の日本酒探究はまだまだ続くことでしょう。

 でも、贅沢にはキリがない。やはり、財布と相談しながら飲むことになりますからね。懐具合が寂しい時、安くて美味しい飲み方を知っていてこそ、真の日本酒通と言えるもの。実は、秘密の味わい方があるのです。これは京都・祇園のとあるお店で出されている飲み方なんですがね…。清酒の上撰(かつての一級酒)を2種類、7対3の割合でブレンドして、それをヒヤのまま桝で飲むんです。縁にちょっと塩を盛って、クーッと空けた時の心地よさ! もう筆舌に尽くせません!! 一度お試しあれ。えっ…銘柄はどこかって? それは、ここでは言えません。楽屋にお越し下さるか、飲み屋で私を見つけて下さい。その時、ソッと教えます。何しろ秘蔵の酒ですから…。

 
 
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