〜日本文化のルネッサンスをめざす〜日本酒で乾杯推進会議
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下重暁子氏下重暁子(しもじゅう あきこ)氏
作家。1959年、早稲田大学教育学部国語国文科卒業。同年NHKに入局。女性トップアナウンサーとして教養、報道、音楽番組を中心に活躍。1968年、同局を退局。フリーとなり、民放キャスターを経た後、文筆活動に入る。ジャンルはエッセイ、評論、ノンフィクション、小説と多岐にわたる。日本ペンクラブ副会長、日本文芸家協会、日本エッセイストクラブ、放送批評懇談会会員など。2005年、日本自転車振興会(現:財団法人JKA)会長に就任。2011年、財団法人JKA会長を退任。日本旅行作家協会会長に就任。

【主な著書】
大和書房晩年の発見〜わたしに残された時間〜
中経の文庫孤独の作法
中経の文庫持たない暮らし
白水社エロイーズ・カニングハムの家(ノンフィクション)
集英社文庫鋼の女(ノンフィクション)
集英社文庫不良老年のすすめ
角川地球人BOOKS砂漠に風が棲んでいる
集英社文庫「ふたり暮らし」を楽しむ〜不良老年のすすめ〜
海竜社くちずさみたくなる名詩(選・著)※朗読CD付
講談社純愛〜エセルと陸奥廣吉〜
講談社思へばこの世は仮の宿(ノンフィクション)
講談社ゆれる24歳プラス5inN.Y.
近代文芸社蜃気楼
くもん出版物語の女たち
暮しの手帖社藍木綿の筒描き
大和出版沈黙はこわくない〜話し方のヒント〜
大和出版贅沢な時間
大和出版10代に女は何をしておくべきか
大和出版女20代「私」を信じる〜自分らしい人生へのヒント〜
大和出版女30代 決断のとき〜結婚していても、していなくても〜
大和出版女40代いま始める〜人生のターニングポイントの過ごし方〜
大和出版女50代 美しさの極意〜いま、自分らしく個性的に生きる〜
大和出版女60代「もうひと花」の決意〜自分を信じて羽ばたいてみよう〜

他多数


酒と遊ぶ
 

「女流酒豪番付」なるものが、毎年発表されていた時期があった。今から三十年ほど前であろうか、私はいつも前頭二、三枚目を行ったり来たり。主催は、今は亡き佐々木久子さんの主催する「酒」という雑誌であった。
  文化人の男性を対象とする男性の酒豪番付に加えて女流酒豪番付が発表され、当時放送されていた深夜の日テレ系「11(イレブン)PM」という11時からの番組で放送された。日本テレビでの司会者は、大橋巨泉さん、大阪読売テレビの司会者は作家の藤本義一さん、酒豪番付に出演を依頼されると、大阪まで行き、放送後はホテルに泊った。
  横綱は、戸川昌子さんや宮城ちか子さん、出演者はその場で、直径七十センチほどの大盃でまわって来た酒を飲まねばならない。
  当時、30代〜40代だった私は、昔ついた「荒田(あらた)のおろち」という仇名そのままに、あまり酔うということがなかった。若かったし、肝臓も丈夫だったのだろう。
  放送終了後は、佐々木久子さんの部屋に集まって又朝まで飲み直す。なんといい時代だったことか。日本も高度成長期から安定期に入り、生活にもゆとりがあった。
  心にも遊びが入ってきて、まさに「11PM」は遊びの番組であった。釣り、ゴルフ、旅、酒・・・などなど、巨泉さんなどは遊びの名人、一日の終わりに楽しめる大人の番組であった。
  その大人の遊びの一つが酒であった事を忘れてはならない。酒を肴に、番付を作って遊ぶこともその一つである。
「酒」では、大学の恩師輝峻康隆先生に誘われて連句で「酒・恋・句会」を楽しんだ事もある。
  酒は遊びのためになくてはならぬものだった。
  佐々木久子さんも輝峻先生も亡くなり、私もある年代から酒豪の面影はなくなった。
  しかし今でも、酒と遊ぶことは決して忘れてはいない。

 
 
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