〜日本文化のルネッサンスをめざす〜日本酒で乾杯推進会議
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100人委員会コラム
山本樹育氏山本樹育(やまもと しげなり)氏
公益社団法人日本青年会議所 2016年度 会頭。1977年3月生まれ。慶應義塾大学 経済学部卒業。2000年山本金属地金株式会社入社、現在取締役副社長。2005年大阪青年会議所入会、2013年度理事長就任。日本青年会議所では、2011年日本経済成長戦略委員会委員長、2014年副会頭、2015年専務理事を経て、2016年1月より現職。

日本酒で乾杯!
 

 日本酒は、弥生時代から続く稲作文化の豊かな実り、四季のある湿潤な気候に根差した豊かな水資源、道を究めた杜氏の優れた技術に支えられ、日本の文化の精華の一つです。

 現在の清酒の原型は江戸初期の関西地方で生まれ、長らく「下り酒」として愛好されました。明治維新後、新政府により幕府の参入規制が撤回されて多くの酒造業者が生まれ、海外の科学技術が醸造にも導入されました。しかし、酒税が国税の中心であったが故の国策や先の大戦の影響により、多くの酒造業者が廃業することになります。戦後、我が国は驚異的な復興を遂げ、技術立国として醸造技術も改良が積み重ねられ、全国各地における特色ある酒造りにより各地の日本酒文化が花開き、現在では世界で愛飲されるように海外輸出が図られるに至っております。

 日本酒は、我が国の悠久の歴史の中で継承されてきた伝統を有します。その伝統は、灘の生一本を生み出した地下水「宮水」をはじめとする地下水の開発と保護、各都道府県における酒造好適米の品種改良などにより積み重ねられ、日々刷新されてきました。その意味で日本酒は伝統と革新を兼ね備えた芸術、つまり古くて新しいものなのです。

 このように日本の各地域の特性や特色を持ち、伝統と最先端の技術を生かし、海外との交流が図られている日本酒をめぐる物語は、日本人の誇りを取り戻し、地域の再興の核となりうる大きな可能性を秘めています。

 日本青年会議所は、それぞれに特色ある全国697の各地青年会議所から成り立ち、各地で豊かな日本酒文化を享受しています。その会員一人ひとりが日本酒への造詣を深めると共に、私自身も全世界で16万2000人もの青年経済人が所属する組織という世界的ネットワークを通じて、世界の仲間に日本酒と日本酒に纏わる文化や物語を広く世界に発信できることを楽しみにしています。

 
 
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