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神崎氏 |
続くフォーラムでは、まず、100人委員で民俗学者の神崎宣武氏が「酒と芸能」についてプレゼンテーションを行いました。
この中で神崎氏は「古来、酒は神を祭るものだったが、折口信夫氏は祭りの要素を、(1)祈祷(神がかり)、(2)直会(なおらい)(神前に供えた酒を皆で分配する盃事)、(3)芸能、(4)性の解放の4つに分けて考えた。このうち芸能は神を称えるもので、昨年取り上げた神楽もそのひとつだ」と解説。その上で「今回お聴きいただく津軽三味線はもともとは門付け芸、祝いと流しの芸だが、こうした放浪芸もやがて座敷上がりして芸者などの芸の基となり、酒との結びつきを深めていった」と、日本酒との関係を説明しました。
●高橋竹山オン・ステージ。力強いバチさばきと歌声が観客を魅了
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見事なバチさばき |
神崎氏の解説で予備知識を仕入れた後は、いよいよお待ちかねの二代目・高橋竹山氏がオン・ステージ。あでやかなピンクのドレスをまとって登場した高橋氏は、およそ30分間、三味線よされ、あいや節、じょんがら節などおなじみの曲を披露し、観客を魅了しました。
中でも津軽あいや節の演奏は、前半の佐渡おけさから
あいや節へとつなぐアレンジで、海運や宴席を通じて各地に伝播していった民謡の有様を再現。 このほか、金子みすず氏の詩「蓮と鶏」をモチーフにしたアドリブ演奏もあって、力強い撥さばきと歌声に会場から盛んな拍手が贈られました。
●高橋vs西舘対談「伝えたい『言霊文化』」。小沢昭一氏も飛び入り参加
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左から、高橋氏、小沢氏、西舘氏 |
津軽三味線のライブに続いては、「伝えたい『言霊文化』」と題して、津軽三味線の魅力や伝統と変革、酒と民謡などの話をめぐり高橋氏と西舘好子氏が対談。「津軽三味線は津軽という地域性だけでは括れない音楽」(高橋氏)「伝統は形を変えていっていい。伝統と単なる伝承は違う」(西舘氏)といったやり取りのほか、途中からは同じく100人委員の俳優・小沢昭一氏が闖入?する場面もあって、3人のリラックスしたトークが参加者の笑いを誘っていました。
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