100人委員会に入って日本酒が好きなことが知れ渡ってしまったのか、最近とみに知人から日本酒の寄贈があり、誠に有難く感謝している。家で一人して飲むより、三週間に一回程度、町田の萬蔵寺蕎麦「尾張屋」で開いている詩吟の会に酒びんを持ち込んで、十数人の仲間と味合うことを楽しみにしている。参加者は年齢も職業も趣味も多士済々だが、共通して日本酒についての一言居士で、皆さんからの反応やコメントが楽しい。年齢は二十代の女性から八十代の男性まで、職業は元労働基準監督署長から会社の総務部長・社長、大学の教職員・元理事長、趣味はプロに近い画家、プロを目指す陶芸家・書家、歌曲など様々。詩吟にも多少興味はあるが、毎回舌鼓を打つ創作料理と日本酒を楽しみに集まってくる人もあり、和気藹々とした会である。
銘酒を持参して下さる会員もいて、記録に残すために酒びんのラベルを剥がして保存することにしたところ、酒名の字に素晴らしいもののあることに気が付いた。まだまだ全国レベルまで収集がゆき届かないが、気に入った字は、「十四代」、「八海山」、龍刀の「上松」・「上中」、「池月」あたり。「獺祭」、「磯自慢」、無濾過原酒の「花泉」、「久保田」、「花垣」、「洗心」も特徴があり素敵である。仮名混じりの「まんさくの花」、「夢の香」も綺麗な字で感心する。電子字やカラ―印字より和紙に墨で書かれた字が、やはり日本酒には合う。どなたが書いたのだろうかと興味はつきないが、残念ながら書いた人の名前は印刷されておらず、印のみの落款があるものもあるが、全くないラベルもある。書いた人の落款(名前と印)があれば、ご自分の名前が残るので、もっといい字を書く意欲も湧くのではないだろうか。筆者もいずれは、銘酒のラベルに酒名を書かせて頂きたいと願っている一人である。
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