昨年6月、十五年間務めたアルコール健康医学協会の理事長を退任し、同協会の願問理事をいたしております。今後ともよろしくお願い致します。
四年ほど前に、日本食品衛生協会で、月桂冠の会長だった大倉敬一氏の後を受けて理事長を十年ほど務め退任しておりますが、理事長退任前の5年ほど賀詞交換の会での乾杯は酒としておりました。有名銘柄を持つ地方食協の会長の蔵酒を用意し(銘柄入りの四斗樽は寄贈、中身の酒は購入)、まず酒で乾杯、としました。明治記念館を会場とし3〜400人の参加を得て盛大な賀詞交換会となっておりました。勿論、ビールやウイスキー、焼酎、泡盛もあり、呉越同舟の日本食品衛生協会ですが中締めまで殆ど帰る人はなく、参加者が十分楽しんでくれたのは天下の銘酒ドノの御蔭だったと今でも思っています。
昨年の春、品川のホテルで、長野県の酒造組合のPRを兼ねたフェステバルに招待され参加しました。100余りの酒蔵がおのおの技を競って、大変な盛況で、その味あいの素らしさに驚嘆した者の一人でした。銘柄もよく知られていない小さな酒蔵が多かったのですが日々大変な研鎭を積まれて作られたイッピン揃いでした。
そこで思ったのですが、このようなフェステバルには、外国の大使館や商社の人々を招待するというしきたりやきまりを作ったらどうかということです。日本人も勿論参加を求めるにしても、2日の開催日では、2日目の午後を外国人の参加に当て、日本酒の歴史や製法などのPRや日本酒のうまい飲み方を開陳するなどをしては、とつくづく感じた次第です。池袋での利き酒会も、時間をさだめ外人向けの時を設け、アンケートで感想を求めるなどを考えては、と思います。
わが国では、食、ワイン、果物などを含めおもてなしの数々が外国人を対象に紹介され、PRが展開されていますが、日本酒こそ「日本」を代表する誇るべき文化であり、芸術であり、おもてなしの貴重な宝であると思っており、国際空港売店での試飲会のみでは「なさけない」と感ずる次第です。 |