〜日本文化のルネッサンスをめざす〜日本酒で乾杯推進会議
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100人委員会コラム
山本祥一朗氏 山本祥一朗(やまもと しょういちろう)氏
1935年岡山県生まれ。次に出る本の推敲を続けている。サプリメントが流行の昨今だけに『酒は最高のサプリメント』(仮題)と題した本は、今年から後期高齢者となる筆者としては、「身につまされる話」でまとめつつある由。その一方では、マメに全国の酒市場の調査も続けている。国内取材が多いために、ここ数年は海外へ出ていない。

揺れに酔う心地、飲む酔い心地
 

 鉄道に造詣が深く列車マニアとでもいった宮脇俊三氏は亡くなられた後も、書かれた本はよく売れているようだ。その宮脇氏と『新潮45』(1982年12月号)で旅と酒の対談をしたことがあった。
 氏は「列車のゴツンゴツンと感じる振動がたまらない」という。それはまた、私にとって飲みごたえのあるピンの利いた酒が喉を越す心地よさにも通じる。氏はさらに「私の場合は乗るのが目的ですから焦点が移動してしまって少しボヤけたところがあるけど、その点、酒が目的となるとはうらやましいですね。目的を飲みこんじゃうんだから、こんな確かなことはありません(笑)目的が個性的ではっきりしているというのが一番楽しい旅の方法じゃないかと思いますね」とも語っておられた。
  いずれにせよ、旅好き酒好き同志の話には際限がなかった。

 
男の酒TPOなど
 
『新潮45』といえば、その翌年にも8月号でお付合いがあった。その時は「特集・世間体講座」と題して講師が専門別に語るのである。木村尚三郎、阿刀田、神津カンナ、内橋克人、ひろさちや、田中小実昌、林真理子、船村徹、塩田丸男、矢内原伊作ほかの諸氏が講座を持った。私は「男の酒TPO」で酒のエチケットなども含めた酒のうんちくを語った。
 さらに同誌では、この「100人委員会コラム」の初回に書いたような話を「やっぱり酒は百薬の長か!?」と題して1996年4月号にも6ページ寄せた。その最後にはこう結んでいる。
「まあ、酒は読むものではなく、飲むものである。理屈ぬきの一杯もいいが、ウンチクでの一杯もいい。ただ、お互いにそれが健康、長寿に結びつく酒であるなら、もって瞑すべきではなかろうか、ご同輩、では一献!」
 
 
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