〜日本文化のルネッサンスをめざす〜日本酒で乾杯推進会議
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家森幸男氏家森幸男(やもり ゆきお)氏
武庫川女子大学国際健康開発研究所所長、京都大学名誉教授、公益財団法人兵庫県健康財団会長、NPO法人世界健康フロンティア研究会理事長。
1985年以来、WHOの協力を得て、世界25カ国60を超える地域で自ら開発した簡便なカップを活用して、丸一日、24時間の尿を集め、栄養と健康寿命を左右する生活習慣病との関係を明らかにした。
「大豆は世界を救う」(法研出版)、「遺伝子が喜ぶ長生きごはん」(朝日新聞出版)、「健康長寿の食べ方 早死にする食べ方」(海竜社)など著書多数。

“百薬の長”を長寿の味方にするには
 

今やUNESCOの無形文化遺産に登録された和食は国際的なブームとなっています。海外で和食を戴く際には、当然、日本酒で乾杯します。国内でも平成25年に京都で清酒による乾杯の条例が全国に先がけ出されています。

和食のメリットは、私共は24時間の尿を世界の61地域で集めて分析し、日本人は大豆や魚をとりわけ多く摂取しており、これが、老化を促進する血管の病気の中でも心筋梗塞を少なくして、日本人の世界一の平均寿命を支えている事を明らかにしました。ただ困った事に、日本人はこの心臓死から守ってくれる大豆や魚と一緒に沢山の塩分を摂っているのです。塩分の過剰は血圧を上げ脳卒中を増やします。脳卒中は寝たきりや認知症の主な原因にもなるので、これが自立して暮らせる健康寿命を平均寿命より10年以上も短くしているのです。

かつては、脳卒中は酒飲みに多いとされていました。これは、お酒にとっては「濡れ衣」なのです。お酒よりも悪いのは酒の肴の食べ方なのです。兵庫県下で毎年1,000人の人から尿を集めて調べましたが、同じ食事をする御夫婦でも、塩分の摂取は晩酌をする男性では多かったのです。酒の肴には、魚や大豆を適塩で、しかも塩のナトリウムを追い出してくれるカリウムの多い野菜を、特に塩分なしで蒸したり、出汁で美味しく食べたりするのがお薦めです。カルシウムは日本人では慢性の摂取不足ですが、乳製品にはこれが多く、マグネシウムも多いので骨粗鬆症という寝たきりの大きな原因も防ぎます。

実は、塩分を加えていない乳製品がヨーグルトで、特に豆乳で作ったヨーグルトは東西の長寿食の融合と言えます。ヨーグルトは、インフルエンザのワクチンの抗体価も高め易い事も証明していますが、適量の清酒をカスピ海ヨーグルトで割って晩酌を楽しめば、お腹の調子もよく、免疫も強められて、冬場もインフルエンザにかからず、和食にも合って健康寿命も延ばせそうです。

 
 
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