〜日本文化のルネッサンスをめざす〜日本酒で乾杯推進会議
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100人委員会コラム
市田ひろみ氏市田ひろみ(いちだ ひろみ)氏
上海で小学校六年を終え 京都府立大卒。
美容室 経営 服飾の道へ。
昭和三十八・九年頃から きもの着付け教育を始め、世界の民族服を収集 研究をつづけている
日本文化の紹介 及び 文化文流で世界百六都市訪問、きもの十二単 書道など 日本文化を紹介 女優として「京都迷宮案内」に十年出演「世界の民族服を訪ねて」「衣裳の工芸」「私という生き方」

時の流れ
 

 大体、立食(ビュッフェスタイル)のパーティは欠席することにしている。
 女優のY・AもM・Aも欠席するそうだ。かりに出席しても、食事をすることはないと言っていた。
 たしかに、片方はハンドバックを持っているから片方しか使えない。
 それよりも、机の下で私達女性がそれとなくする作業が出来ないのだ。
 それは、化粧直しだ。
 歯の間に、レタスのかけらが入ってないか口紅ははげていないか。
 椅子に座っていると、机の下でさりげなく鏡を出してチェックするし、口紅直しも出来るというものだ。立食パーティーだと、このシークレットリメイクが出来ないのだ。
 だから女性は、バックを持ちグラスを持って立つのだ。
 立食で困るのは、自分のグラスがわからなくなることだ。
 席から席へ動く人は、てきとうにグラスを置いてゆくから、中途半端にビールや酒をのこしたまま、机の上は台所の洗い場のようだ。
 私はその机の上のみだれた風景がうれしくないのだ。
 席が決っている場合は、当然自分のグラスもわかるし、必要なものしかたのまないので、自分のテリトリーのものをゆっくりたのしめる。
 和食の前の日本酒、イタリアンの前のワイン、現実からやさしい非現実の世界への導入が、このお酒なのだ。
 勿論、ビュッフェスタイルでもお酒をたのしめるだろうが、私はやっぱり、ゆっくり座って自分のスタイルでたのしみたい。
 特に、日本酒は、好みの微妙な味わいはゆっくりした時の流れでこそうれしいものだ。

 
過去のコラム
会津若松と京都
2013.1.18
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2011.12.20
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2009.02.02
 
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